「合気は技の追求だけど、合気道は人間の生き方・精神をも含めた広い意味での探求の道である。」 (6月7日の昇段審査で 阿部醒石師範)
『合氣道探求』
第29号 より
自己の中心と相手を結ぶ
「相手を力で投げようとしない、掴まれた部分を腹と結ぶ、自己の中心と相手を結ぶ、自分の気持ちを上に上げないように。」 (合気会 遠藤師範)
上半身の力を抜く
「腹を充実させ、腹にまとめて、上半身の力を抜くように心がける。手の動きだけに意識がいかないように。」 (合気会 安野師範)
正確にしっかり掴む
「受けは打つときは正確にしっかり打ち、掴むときは正確にしっかり掴んで稽古する。」(合気会 関師範)
受けを引き出し導く
「相手が掴んでいるところを切らず、ゆるめることなく受けを引き出し導く。」(ドイツ合気会 浅井師範)
“呼吸法”で気を練ること
「稽古で特に重要なのは“呼吸法”で気を練ることです。技を練るには全身の神経が、心の求めに自然と応じるように訓練されなければなりません。この為には、インド、中国、日本で数千年にわたって研究さえてきた行法の中心である“呼吸法”の修得が重要なのです。現代の生理学では呼吸法を吸酸除炭とだけ教えますが、東洋の教えでは、地球上で進化した呼吸という優れたシステムで、宇宙の根元の力と智恵を全身の神経系統に受け入れ、丹田に充電し命の力を高める方法であり、これこそ生命の根元であると説くことです。事実、合気道の稽古で呼吸法を行っていたら、治るのが難しいと言われていた病がいつの間にか治っていたので、医者も本人も驚き喜んだということは、珍しいことではありません。
大先生は“心は修行者にして、体は道場と心得よ”と言われました。一般の人には“心は音楽家で、体は楽器である”と考えるのが解りやすいかもしれません。合気道修行者(音楽家)としての腕を磨くのと同時に、より精密で精巧な楽器(体)に仕上げてゆくことが大事であり、それによって、やがては自分自身喜びを感じる動き(音楽)が生まれてくるようになると説かれているのです。」(合気会 多田師範) |